2007年9月5日水曜日

10円禿⑥

  
 そうこうしていると母親が私の所にすっとんできた。

そのまま家まで運ばれた。
痛くないが痛くないとは逆にいえない感じであった。


血は服にも結構ついていて、見る人から見ると非常に大丈夫かと
思えるように見えただろう。

 しかし本当に痛みはなく、至って大丈夫であった。

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10円禿⑤

 
 まわりの子たちが騒ぎだして、その子たちの何人かが
親や近くにいる親に報告しないと走りだした。
 
 私の周りにいた女の子たちは『大丈夫』と声をかけてきた。
私は『うん』と静かにいった。


 私には痛みがなく、ただボールが捕れた快感に浸っていたの
だと思う。周りが騒がしくなったが、私の心はすごく静かであった。

ただ空を見ていた。


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10円禿④

そうしていると回りの子たちの誰かが
あ! 血がでてると私の頭を指した。

 そうなのである。あの鈍い音は砂利が
頭に刺さった音であったのだ。

 私が子供の頃の昭和50年前半はまだまだ地方は
道路がアスファルトではなく砂利道であった。


 ときたま砂利の中でも車の重みで割れて鋭いもの
あったりするのだが、ちょうどそういう石が
私の頭の後ろあたりにあって刺さった。

 私の髪型は坊ちゃんで長かったのであるが
血がたくさんでて、髪の毛が塗れた感じになっていた。

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